イベント報告

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ここでは、岐阜県森林研究所が関連したイベント報告を掲載しています。現在募集中の行事の情報は、募集のお知らせをご覧ください。


今年度のイベント報告

ページ内リスト
  • 令和7年度 岐阜県森林研究所 研究成果発表会でいただいたご質問に回答します。new
  • 当所森林資源部の臼田部長が森林技術賞を受賞しました。
  • 令和7年度 岐阜県森林研究所 研究成果発表会が開催されました。
  • 令和7年度第1回美濃路クリーン作戦を行いました。
  • 令和7年度新規採用職員などの新採研修が行われました。
  • 森林文化アカデミー学生に、木材乾燥に関する講義を行いました。

    令和7年度 岐阜県森林研究所 研究成果発表会でいただいたご質問に回答します。

    令和7年度岐阜県森林研究所 研究成果発表会(令和7年7月11日開催)のアンケートに、様々なご意見をいただきました。
      その中には、発表内容への質問もありましたので、下記の通り回答します。

    Q1 ヒノキコンテナ苗にヤシ殻を用いた場合に生存率が高いが、これはなぜか?保水性が高い、硬度が根を張るのにちょうどいい、など。
    A1 各資材のpHと導電率を測定したところ、pHはヤシ殻とバーク堆肥が弱酸性、キノコ廃菌床が中性〜弱アルカリ性で、導電率はヤシ殻が他の2種類と比較して極めて低い値でした。
    ヤシ殻で苗の生存率が高かった理由として、pHがヒノキの成長に適する弱酸性であったこと、導電率が極めて低かったことからヒノキの生育を妨げる物質があまり含まれていなかったためと考えています。
    根の発達については、現在測定している苗の部位別(根、葉、幹)重量の結果をみて評価したいと思います。しばらくお待ちくたさい。
    Q2 ツリーシェルターの種類ごとに要する費用について、具体的な金額比較があれば伺いたい。
    A2 今回の発表で用いたツリーシェルターの費用について比較はできていません。またメンテナンスにかかった費用も算出できていません。
    ただ、施工および管理にかかる費用は、獣害対策を選択するうえで非常に重要であると考えていますので、今後検討していきたいと考えています。
    Q3 ヒノキコンテナ苗について、秋植栽での枯損率が高いのはヒノキだけか?スギ・カラマツも同様か?その原因も知りたい。
    A3 標高1000mを超えるヒノキ人工林の再造林で、雪が少ない年の晩秋(11月)に植栽したヒノキ苗が大量に枯れました。 その時の生存苗は、隣接林分との境界付近や近くに岩があることによって風当りが比較的弱い場所に集中していたことから、寡雪による苗木の過乾燥が原因の一つとして考えられました。 植栽時期が秋でも早い時期であったり、例年どおり降雪があれば大量枯損が無かったかもしれません。 植栽直後から成長休止期に向かう秋植栽では、植栽直後の成長期に根が地山に伸長することにより苗の枯損が減りますが、成長期間が短いというリスクがあります。 その点、これから成長期に向かう春植栽は成長休止期までの期間が長いです。特に気候条件の厳しい場所での苗植栽には、成長期間の長い春植栽をお勧めします。当所では、スギ、カラマツの秋植栽試験を行ったことはありませんが、根の伸長については同様のことがいえるので、春植栽が無難と考えます。
    Q4 発表3(構造の異なる3種類のツリーシェルターを施工したスギ苗木の形状の違いとそれらの管理方法)について、2年目、3年目でも苗木の雪起こしが必要と感じた。
    A4 雪が重い岐阜県の積雪地において、ツリーシェルターを施工しない場合、植栽から3年目程度までは苗木の雪起こしが必須になります。実際に、ツリーシェルターを施工しない無処理の苗木は、植栽後3年目まで雪圧害により倒伏が多発したため、雪起こしを行いました。
    一方で、ツリーシェルターを施工した場合、植栽から3年目までの雪起こしはよっぽどの大雪が降らない限り必要ないことが多いです。ただし筒形のツリーシェルターは苗木がおおきくなってから雪起こしが必要になることがあり、その場合には非常に労力がかかります。
    Q5 ツリーシェルターの有無や種類で枝打ちの必要性や回数がどのくらい変わるのか気になりました。
    A5 筒型の場合、シェルター内で枝は早々に枯れあがります。例えば高さ1.7mのツリーシェルターであれば、地表から1.7mは枝打ちが必要ありません。一方で網型・布型はシェルター内でも枝は枯れないことが多いです。しかしこれら全てで、シェルターから出たところから枝は張るため、枝打ちは必要ですし、回数が大きく減ることはないと考えられます。
    Q6 ヒノキコンテナ苗に700日肥料を使用しているが、マイクロプラスチック問題は無いのか。
    A6 ヒノキコンテナ苗の場合、肥料が存在する根鉢を地中に埋めるため、通常は肥料成分が抜けた後の殻(肥料殻とする)は林地に留まります。この場合は大きな問題にならないと考えます。しかし、林地が崩れたり根返り(木が根と共に倒れる現象)を起こした場合は、肥料殻が河川を通じて海に流出することが考えられます。この場合は、問題になります。
    そうならないためには、健全な森林管理(適期の間伐など)が求められます。なお、肥料メーカーもマイクロプラスチック問題の対策を気にして、生分解性資材利用の検討に入ったと聞いています。将来的には、生分解性資材への切り替えが進むと思います。

    当所森林資源部の臼田部長が森林技術賞を受賞しました。

    第70回森林技術賞を当所森林資源部の臼田部長が受賞しました。森林技術賞とは、森林技術の向上に貢献し、林業、木材利用を含む森林に関する科学技術の振興に特に顕著な功績のあった者に、一般社団法人日本森林技術協会が授与する賞です。
      第70回森林技術賞では、臼田部長が取り組んできた「デジタル地図を活用した災害に強い森林作業用道路の適地判別手法の開発」が評価され、受賞にいたりました。臼田部長の研究および普及の業績は、当所HPの「研究成果」、「普及成果」、「手引書・仕様書」に掲載しています。ぜひご覧ください。
      こういった受賞を励みにして、今後も当研究所では森林・林業に関わる様々な分野での研究や技術の開発に努めてまいります。

    所長あいさつ
    第70回森林技術賞 表彰楯・表彰状

    令和7年度 岐阜県森林研究所 研究成果発表会が開催されました。

    7月11日、令和7年度岐阜県森林研究所 研究成果発表会を関市のわかくさプラザで開催しました。県内の森林・林業関係者を中心に、約130名の方々にご出席いただきました。
      岐阜県の研究員からは、災害に強い作業道整備に関する地図、ヒノキコンテナ苗、ツリーシェルターについての口頭発表を3題、交流発表として長野県の研究員から、生分解性の単木保護資材についての口頭発表を1題行いました。その後、ポスター発表による長野県林業総合センターと岐阜県森林研究所の研究成果を紹介しました。
      口頭発表・ポスター発表共に多くの参加者からたくさんの質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。
      いただいたご意見や質問内容等を参考に、岐阜県の森林・林業の発展に貢献する研究開発を行っていきます。

    所長あいさつ 発表の様子
    所長あいさつ 発表の様子
    質疑の様子 ポスターセッションの様子
    質疑の様子 ポスターセッションの様子

    令和7年度第1回美濃路クリーン作戦を行いました。

    6月2日、森林研究所の周辺道路において「令和7年度美濃路クリーン作戦」を実施しました。この活動は「美しいふるさと運動」推進のために、県職員が各地で行っているものです。
      ゴミ袋と火ばさみを手に研究所周辺道路に繰り出し、たばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどの清掃活動を行いました。

    ゴミ拾いの様子1
    職員による清掃活動

    令和7年度新規採用職員などの新採研修が行われました。

    5月26日、「林政部 新規採用職員研修」として、新規採用等により新しく林政部に配属された職員が森林研究所を訪れました。設備や研究課題について説明を行ったのち、所内の各施設を回り、研究内容や、成果がどのように活かされるかなどを説明しました。

    森林研究所の研究内容が業務の推進に活用されることを期待しております。また、今後業務を進める中で出てくる技術的な疑問等についても、相談をお待ちしております。

      森林研究所概要説明   樹木測定実験室での説明   木材乾燥機に関する説明
    森林研究所概要説明 樹木測定実験室での説明 木材乾燥機に関する説明

    森林文化アカデミー学生に、木材乾燥に関する講義を行いました。

    令和7年5月22日、木材開放試験室周辺にて、森林文化アカデミークリエイター科2年生、エンジニア科2年生を対象に、木材乾燥に関する講義を実施しました。
      当所保有の木材乾燥機は全国の製材工場などでも導入実績の多い蒸気式を採用しており、乾燥機内に入り込み内部構造の仕組みや、乾燥処理中の温度、湿度の制御方法、乾燥の工程などについて説明しました。
      説明後は授業用に製材したヒノキ柱角、平角を桟積みし、乾燥機に投入、スケジュールを設定して乾燥を開始するという、木材乾燥作業に関する一連の作業を実際に実施しました。乾燥の効果を確認するため、乾燥前の材料の含水率、ヤング係数の測定についても指導しました。
      講義を受けた学生からも多くの質問がありました。暑い中での実習となりましたが、乾燥作業の重要性について肌で感じていただき、今後の学習に活かしていただければと思います。
      なお、これらの材は乾燥後、アカデミーの取り組みである自力建設材として使用していただく予定です。

    乾燥機内部の説明 含水率の測定作業 重しを載せて乾燥機へ投入
    乾燥機内部の説明 含水率の測定作業 重しを載せて乾燥機へ投入
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