(岐阜県森林研究所) 片桐 奈々
森林のたより 2024年4月号掲載
マイマイガとは様々な植物を食べる蛾の一種で(図1)、不定期に発生し、時に大量発生します。岐阜県では2013、2014年に大発生し、2015年には終息しました。ところが近年、岐阜県の一部地域でマイマイガが確認されており、増加の兆候があります。
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図.1 マイマイガ |
森林研究所では県内のマイマイガの発生状況を広域に早期につかむため、スマホでマイマイガの発見情報を簡単に投稿できるアプリを開発し、令和5年5月から運用中です(図2)。この情報は即時、集計・図化され、森林研究所のHPで公開しています。早めのマイマイガ対策にお役立て下さい。
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図.2 目撃投稿アプリ「マイマイガを見ましたか?」 |
令和5年5月〜翌2月までに24件の発見情報が集まりました(図3)。ご協力ありがとうございました。マイマイガは飛騨・東濃・岐阜・西濃地域で確認されました。特に飛騨地域からの投稿数が多く、他地域に比べマイマイガの発生が多かった可能性があります。
また幼虫の投稿数が多い一方、卵塊の投稿数は少なく、身近な建物には産卵されていなかったなどが考えられます。投稿の中にはマイマイガ以外のものもありました。これらは研究員によりマイマイガ以外というカテゴリへ変更させていただいています。
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図.3 マイマイガ目撃マップ(令和5年5〜約2月集計) |
今後多くの発見情報が集まれば、おおまかな年ごとの増加傾向や発生が多い地域を把握することができると考えています。是非、ご協力をお願いします。