情報機器を森林管理に活かす(8)
画像に位置情報を書き込む

(岐阜県森林研究所) 古川 邦明



前回は、GPSとデジカメを持って現場に出るまでを説明しました。今回は、トラックデータからデジタルカメラで撮影した画像に、位置情報を書き加える方法について説明していきます。

前回紹介したように「カシミール」と「ハンディGPS」を使った例で説明しますが、他にカシミールのプラグインソフト「デジカメプラグイン」をインストールしておいてください。各ソフトはフリーウエアでインターネットで入手できます。詳しい使用方法については、取扱説明書等で確認してください。


【現地で記録したトラックデータをパソコンに取り込もう】

まず、トラックデータをパソコンに取り込みます。トラックデータの形式は、機種により異なります。全ての機種の例は説明できませんので、代表的なGPS(前連載651号記事の図3参照)の例で説明します。

@GPSをパソコンに接続

GPS受信機種毎の専用の接続ケーブルで、パソコンとGPSを接続します。

AカシミールにGPSからトラックデータを取り込む

カシミールの「通信」機能を使います。カシミールにはハンディGPSの多くの機種との通信設定が準備されています。メニューバーから[通信]-[ダウンロード]−[トラックデータ]と進んで、ダウンロードリストが表示されたら、接続しているGPSの機種を選択し、トラックデータをカシミールに保存します(図1)。これで、地図上に踏査してきた行程が表示されます(図2)。

GPSデータの画像への取り込み画面
図1 GPSデータの画像への取り込み画面

取り込んだトラックデータ
図2 取り込んだトラックデータ

B画像の取り込み

デジカメのメモリーをパソコンに接続します。

【画像に位置を書き込もう】

@プラグインの起動

「デジカメプラグイン」カシミールから起動します(図3)。

デジカメプラグインの起動画面
図3 デジカメプラグインの起動画面

A画像が入っているフォルダの選択

デジカメプラグインを起動すると、フォルダ一覧が表示されますから、GPSといっしょに撮影してきた画像の入っているドライブとフォルダを選択します。

B画像ファイルにGPSデータを書き込む

位置を書き込む画像ファイルをマウスでクリックして選択します。一枚ずつ選択して書き込むことも、まとめて書き込むこともできます。選択したら、ファイル一覧の下にある位置推定コマンドボタンをクリックします(図4の1番ボタン)。トラックデータに記録されている計測時刻と画像のExifデータに記録されている撮影時刻を比較して、もっとも近い時刻に計測された緯度経度から撮影位置を推測しています。確認して、書き込みコマンドボタンをクリックすると、GPSで計測した緯度経度が画像ファイルのExifデータに書き込まれます(図4の2番ボタン)。

GPSデータから撮影位置を推定する画面
図4 GPSデータから撮影位置を推定する画面

推定された位置に画像アイコンが表示された
図5 推定された位置に画像アイコンが表示された

【使ってみませんか】

作業は以上です。画像ファイルに位置情報が付け加えられました。一端書き込まれてしまえば、トラックデータが無くても画像ファイルだけで位置が管理できます。ファイルをコピーしても位置情報は変わりませんから、色々な使い方があると思います。それぞれに考えてみてください。

画像で森林の位置情報を記録する方法を紹介しました。

GPSを始め、身近で使える情報機器を森林管理に活用する方法はまだまだ有ります。順次紹介していきたいと思います。