地上レーザ測量機器計測により取得した地形情報について

(岐阜県森林研究所) 後藤 謙宜

森林のたより 2026年6月号掲載



1.はじめに

近年、様々な地上レーザ測量機器が開発され、森林調査への活用も進んでいます。これらの機器は対象物にレーザ光を照射し、その反射光をセンサで受信します。レーザ光が戻るまでの時間から距離を計算できるため、物体の三次元位置情報を点群データとして取得することができます。この点群データを解析することにより、立木の形状や地形の把握が可能です。
 今回は、森林調査用の地上レーザ測量機器により取得した地形データから微地形図を作成し、航空レーザ測量により取得した地形データと比較した結果を紹介します。

2.方法

調査は美濃市内にある岐阜県立森林文化アカデミーの演習林で実施しました。地上レーザ測量機器は体の前方に装着した状態で現地を踏査し、計測を行いました。(写真1)。計測により取得した点群データ(図1)を機器に付属する点群解析ソフトで解析し、地形を点で表現したDTM(数値地形モデル)(図2)を作成しました。DTM作成時にはメッシュ幅の選択が可能です。メッシュ幅とは等間隔に点を配置した際の点間の距離のことであり、作成する図の解像度に影響します。今回はDTMのメッシュ幅を50pに設定し、微地形図としてCS立体図を作成しました。

3.結果

CS立体図の比較結果は図3のとおりです。CS立体図とは長野県林業総合センターが考案した地形表現図であり、谷(凹)地形を青色、尾根(凸)地形を赤色、緩斜面を淡い色、急斜面を濃い色で塗り分けています。
 現地で調査した際、図3のCS立体図の中央付近上下方向に谷地形を確認しました。しかし、航空レーザデータから作成したCS立体図(図3左)では谷の上部のみ谷地形を示す青色で示されており、中央部は実際とは異なる赤色の凸地形で表現され、現地の地形を正確に表現できていませんでした。これは、航空レーザ測量を行った際、対象地がヒノキの過密林であり、上空から照射したレーザ光が林冠に遮られ地表面まで十分に届いていなかったことが原因であると考えられます。一方、地上レーザデータから作成したCS立体図(図3右)では図の中央付近にある谷が明瞭に表現されており、現地の地形を正確に計測できていることが確認できました。このように、航空レーザデータの精度が低い場所では地上レーザ測量によって正確な地形を把握することが可能です。
 地上レーザ測量機器により取得可能な点群データからは地形以外にも様々な情報が得られますので、今後も分析を進めたいと思います。
※航空レーザ測量による地形データは、「平成25年度 越美山系砂防航空レーザ測量業務」のデータを使用しています。

 
写真1 計測の様子 図2 点群データ
写真1 計測の様子 図1 点群データ
 
図2 DTM(数値地形モデル) 図3 CS立体図の比較
図2 DTM(数値地形モデル) 図3 CS立体図の比較