(岐阜県森林研究所) 臼田 寿生
森林のたより 2026年5月号掲載
林道や森林作業道などの森林内における道路計画を進める際には、軟弱地盤や固い岩盤などの道路整備に支障を及ぼす恐れがある場所を的確に把握することが重要です。
そこで今回は、軟弱地盤と岩盤の推定に役立つ地図として、CS立体図の活用法を紹介します。
CS立体図は、谷部のような凹地形を青色、尾根部のような凸地形を赤色で、さらに、傾斜角度に応じて、緩斜面を淡い色、急斜面を濃い色で塗り分け、視覚的に地形判読を行いやすくした地図です(図1、図2)。地形判読の具体例として、森林のたより759号、776号では、斜面崩壊などの土砂移動が多発している場所では、青色と赤色が交互に集中した色が濃い場所として表現されているなど、崩壊危険地を把握する際に役立つ地図であることを紹介しました。
写真1は森林作業道の作設地が軟弱地盤であったため、重機が走行できるよう丸太を敷き並べた現場の状況です。この場所を図1のCS立体図で確認してみると、軟弱地盤であった場所(図1の黒丸の位置)は、線状の青色で表現されている谷に近接し、白に近い淡い色で表現されているため、この場所が谷周辺のなだらかで平坦な場所であることがわかります。
このような場所は、上流から流れてきた土砂が堆積した場所であり、地盤内に多くの水分を含んでいるため、軟弱地盤の可能性があります。
![]() |
![]() |
| 写真1.軟弱地盤での森林作業道の作設 | 図1.CS立体図での軟弱地盤の位置 |
写真2は森林作業道の作設地の地盤が固い岩盤であった現場の切土法面の状況です。この場所を図2のCS立体図で確認してみると、尾根部の凸地形を表す赤色で表現されています(図2の黒丸の位置)。また、濃い赤色で表現されていることから、この場所は比較的風化が進んでいない固い地盤であるため、急傾斜かつ周辺の地面に対して出っ張りの程度が大きいことがわかります。
森林内の道路整備を進める際に予想していなかった軟弱地盤や固い岩盤などが出現すると、作業の効率やコストに大きな影響を与えます。このため、道路計画の際には、CS立体図を活用して、今回紹介した事例のような場所をあらかじめ確認することをおすすめします。
県内全域分のCS立体図は、当研究所のウェブサイトから確認できますので、ぜひご活用ください。
![]() |
![]() |
| 写真2.切土法面の岩盤 | 図2.CS立体図での岩盤の位置 |
![]() |
| ↑ |
| 地図の確認はこちら |