(岐阜県森林研究所) 片桐 奈々
森林のたより 2026年2月号掲載
森林研究所では、ツリーシェルター(以下、シェルター)のチューブ型とネット型を施工したスギの成長を調査してきました(図1)。令和7年4月には植栽から6年経過し、試験木のほとんどがシェルターの高さを超えて大きく成長したため、シェルター撤去に要する労力の調査を行うことにしました。
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| 図1 ツリーシェルター試験地 |
| a:植栽後約6年経過した様子 |
| b:チューブ型シェルター |
| c:ネット型シェルター |
撤去を行い、問題が2つわかりました。1つ目はシェルターの構造が撤去時間に影響することです。ネット型は本体の目合いが6oで、枝葉が多数飛び出ており(図2)、本体を外す際、枝を切らないようにして、できない場合は枝を付け根で切る必要がありました。枝を中途半端に切って枯枝ができると、死節、枝虫被害、腐朽や変色を引き起こす可能性があるため、注意深く作業を行わなければなりません。そのため、ネット型の本体の撤去はチューブ型よりかなり時間がかかりました。この場合、撤去を効率化して時間を短縮することは困難ですが、設置前に目合いが大きいシェルターを選ばないことで、手間のかかる撤去を避けることができます。
2つ目の問題は、成長して根元直径が太くなるほど、支柱やシェルター本体を地面に固定するペグが抜けにくい、もしくは抜けなくなることです。スギは成長が早いため、植栽後6年目には支柱と根元が接触し、支柱の撤去に時間がかかる個体がありました(図3)。撤去を効率化するために、植栽後5年目くらいに根元直径の現状をみて撤去を検討してみる必要があります。またペグは、ペグ抜きハンマーを使うと効率よく抜けます。
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| 図2 チューブ型本体から飛び出た枝葉 | 図3チューブ型の支柱に接触するスギの根元 |
シェルターの構造は撤去効率に影響することがわかりましたが、撤去のしやすさのみでシェルターを選ぶことは危険です。植栽木の成長や食害防止効果も、シェルターの構造によって大きく変わります。これらの特徴を全て把握したうえで、失敗しないシェルターを選びましょう。