(岐阜県森林研究所) 古川 邦明
森林のたより 2008年10月号掲載
前回は、路網計画支援ツールを紹介しました。間伐等で作業路網配置計画を支援するシステムです。業路の計画線形は、図面上でポイントをマウスで描画していくか、測点のXY座標値を入力して描画します。計画線形は、現場で実際に踏査して確認する必要があります。
地図に描かれた線形を現場で確認するわけですが、計画線形をGPSに取り込んで、現場に持って行けば、GPSで現在地と計画線形との位置関係を確認しながら踏査が行えます(図1の矢印@)。逆に、踏査で計画線形を見直した場合、GPSで記録した作業路線形を支援ツールに取り込むことができれば、現地踏査での計画線形に基づいて支援ツールでの再解析も容易になります(図1の矢印A)。
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図1 路網計画支援ツールとGPSとのデータ交換 |
これまで、森林の位置情報管理に、カシミール3DとGPSの活用する方法を度々紹介してきました。しかしカシミールは、GPSとのデータ交換は簡単に行えますが、コンパスなど測量機器による境界測量や線形測量での成果は直接取り込むことができません(図2の矢印@)。
また、最近では測量図はCADなどで作成することが多いと思います。森林研究所のHPで配布している「森林測量システム」も図面の管理はCAD(jw_cad)を使っていますが、GPSの計測データを直接CADに取り込むこともできません(図2の矢印A)。
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図2 CADとカシミール・GPS等とのデータ交換 |
GPSで測定した線形やポイントのデータをCAD上で作成した測量図に簡単に取り込めれば、現場管理用として、より活用できる図面となるでしょう。
実際に、カシミールに測量図を表示させることや、CADにGPS計測した結果を表示できないかとの要望がありました。そこでこれらのデータ変換を行うツールを作成しました。
ツールは、図1、2の矢印@のデータ変換を行う「測量座標→平面直角座標&緯度経度変換シート」と、図1、2の矢印Aのデータ変換を行う「緯度経度→平面座標変換シート」の2種類です。それぞれエクセルのマクロで作成しています。
ツールの使い方など詳細は、次回から順次説明していきます。