(岐阜県森林研究所) 古川 邦明
森林のたより 2007年7月号掲載
最近、森林の病虫害や気象被害が多く発生しています。特に、病虫害は、カシノナガキクイムシによるナラ枯れが拡大するなど、広域被害が目立ちます。広域の森林被害の対策には、発生区域の拡大状況などを予測して、防除にあたることが、効率的な防除に必要です。
森林研究所では、被害発生の危険性が高い場所を判りやすく示し、対策に役立てて頂くため、3年前から順次森林被害の危険度マップの作成に取り組んできました。冠雪害危険度マップは既にWebGISの「ぎふ ふぉれナビ」でも公開していますので、ごらんになった方もいらっしゃるでしょう。
今回、冠雪害危険度マップに続いて、マツ枯れやナラ枯れ被害危険度マップを作成しましたので紹介します。被害対策計画等に使っていただければ幸いです。なお、「ぎふ ふぉれナビ」での公開準備を進めていますので、アクセスしてみてください。
県内のマツ枯れ被害の発生は、年々北上しており、現在発生していない地域も安心はできません。図1のマップは、主に温度条件に着目して作成しました。危険区域は、
の3区分としています。
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県内でナラ枯れ被害の発生が確認されたのは平成8年頃です。当初被害は揖斐川流域に限られていました。しかし被害は、長良川流域や岐阜市周辺にも拡大し、今後さらに拡大していくことが予想されます。マップは、2種類作成しました。
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これらの危険度マップは、作成すれば終わりではありません。常に新しい情報を取り入れ更新していくことにしています。