密度管理カードを作成しました
−収量比数を簡単に計算、間伐に活用−

(岐阜県森林科学研究所)古川邦明


写真.密度管理カード
樹高と本数密度から収量比数が判る。
写真.密度管理カード

 岐阜県では、本年度から間伐の申請時に収量比数を求め、間伐率等の判断に使うことになりました。森林の混み具合、間伐の適期等を判断する指標の一つが収量比数です。収量比数は、本数密度と平均樹高から求めます。算出には一般的に密度管理図を使います。密度管理図には収量比数をはじめ、最多密度曲線、等平均樹高曲線、等平均直径曲線など多くの情報が一枚のグラフ上で表示されています。使い慣れていない方にはやや取っつきにくい面がありました。そのためか、収量比数は難しいというイメージがあったと思います。

 そこで、現場でも簡単に収量比数が求められる密度管理カード(写真)を作成しました。

【密度管理カード】

 収量比数のみを算出するための計算尺(カード式)です。密度管理図は、樹種・地域ごとに作成されています。岐阜県の場合、多雪地帯(積雪深:1m以上)と一般地域(多雪地域以外)毎に作成されています。計算カードは、スギ・ヒノキのそれぞれの地域毎に4種類作成しました。

  1. 多雪地域密度管理カード
       :(社)森林技術協会が作成している東山・中部地区の密度管理図の収量比数曲線に基づいて作成しました。
  2. 一般地域密度管理カード
       :岐阜県独自に調整した密度管理図の収量比数曲線に基づいて作成しました。

【使用方法】

  1. まず、調べたい林分の平均樹高(m)を測ります(方法はお任せします)。
  2. カード上段の矢印に計測した樹高をあわせます。
  3. すると下段の窓に、収量比数に対応した本数密度(本/ha)が表示されます。
  4. 林分の本数密度の箇所の上の数値が、収量比数となります。

 カードは、今のところペーパークラフト式で提供しています。作成はごく簡単です。クラフト用の原図は簡単に作成出来るようPDFファイルで作成しました。プリンタでプリントアウトし、切り貼りして作成してください。原図ファイルは森林科学研究所のHPからダウンロードできます。

 他地区の収量比数計算カードも係数が判れば作成することができます。必要な場合は、お尋ねください。


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