シデコブシの写真を撮影した市町村

シデコブシの分布図

色の塗られている市町村に自生地があります。
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 シデコブシは三重、岐阜、愛知という限られた地域でのみ見られる日本固有種である(UEDA,1987)。養老山系東麓の扇状地と、木曽川・庄内川流域および、渥美半島に分布し、およそ100mから400mまでの丘陵地域にだけ知られ、沖積平野や山地帯には知られていない。これらの地域の多少とも水が流れている湿地にのみ限られて生育している。例えば、谷底平野と斜面との境の小さい破砕断層帯に沿って水のしみ出ている様な所、緩傾斜地で斜面全体から水のしみでている湿地的な所、小さい川沿いの僅かな平坦地、少し開けた沢筋といった場所で、たいてい生育地の地面はミズゴケに被れている。おそらくこの地方特有の陶土層が地中浅く存在するため水が浸透できず、湧き出る所だと推定される。ただし、その周囲はいかにも乾いた場所でたいていはアカマツ林であり、そのような所にはコブシは今までのところ全く知られていないが、一方タムシバはよくみかけ、シデコブシと接近して生育していることが多い。

研究概要