間伐作業機械化の問題点
間伐作業では、主伐作業に比べて集材作業に制約が多く集材コストが割高になります。しかも間伐材の価格は主伐材に比べ安くなります。また、1事業地当たりの事業量の確保が難しいことなどから採算性が悪く、投入経緯費が大きくなる高性能林業機械による取り組みはなかなかすすんでいません。
◇皆伐に比べ集材コストが割高になる理由
- 残存木が障害になって架線設置の自由度が低く、最も合理的な位置に設置できない。
- 1線あたりの集材量が少ないため、材積当たりの架設撤去労務が増える。
- 残存木が障害となって「横取り」が難しく能率が低下する。
- 短幹集材の場合、一カ所当たりの荷かけ本数が少なく材積当たりの労務が増える。
◇間伐材が主伐材に比べて価格が安い理由
間伐材だから価格が低いのではありません。次のような場合価格が安くなるのです。
- 要間伐林は利用伐期齢以下が多く、未熟材や細い材が間伐、出荷されることが多い。
- 曲がりや腐れのある不良材が出荷されやすい。
- 市場で必要とする径級や規格の材をまとめて出荷できにくい。
※しかし、間伐材でも柱適寸材では、高値がつくこともあります。間伐対象となっている材がどのような価格で取り引きされているか事前に調査しておくことが大切です。そして販売高を予測しその価格で生産できるかどうか見極めたうえで間伐作業方法を検討することが必要です。
◇間伐で高性能林業機械導入を阻害する作業特性
- 全木集材は残存木が障害となって横取りが困難、機械の牽引能力も高いものが要求される。
- 残存木がプロセッサ作業の障害となり作業が規制され効率が落ちる。
- 全木集材では機械能力の高さと、高度な技術が要求される。
高性能林業機械を間伐に生かすにはどうしたらいいのでしょう。
その選択の一つに列状間伐があります。