列状間伐のコスト比較

 列状間伐は定性間伐と比較して作業生産性の向上が可能です。

 上げ荷集材で定性間伐と列状間伐の作業生産性を比較しました。同条件の定性間伐と比較して2割近く作業生産性が高くなっています。

列状と定性間伐での生産性比較
列状と定性間伐での生産性比較 (単位:m3/人・日)
 平均傾斜:21°,スギ人工林(37年生)
 胸高直径:27.3cm,平均樹高:16.5m
列状間伐と定性間伐で伐採方法を変えて伐倒の作業生産性と作業要素の比較
列状間伐と定性間伐で伐採方法を変えて伐倒の作業生産性と作業要素の比較
 A区:定性間伐(普通集材),B区:定性間伐(全木集材)
 C区:列状間伐(上へ伐倒),D区:列状間伐(下へ伐倒)

 このグラフは、間伐方法別の伐倒の作業性を調査した結果です。列状間伐ではかかり木がほとんど発生していないことがわかります。かかり木の処理が作業時間の多くを閉めており、作業生産性に最も大きく影響します。



 岐阜県での列状間伐の作業生産性調査の結果を下表に示しました。
林分の作業条件はそれぞれ異なりますが、列状間伐は伐倒作業と集材の作業生産性が特に有利であることがわかります。

表:列状間伐作業功程集計表     単位:m3/人・日
伐倒方法 下げ荷下方伐 下げ荷上方伐 上げ荷下方伐 放射列状間伐
1列伐倒 2列伐倒 1列伐倒 2列伐倒 1列伐倒
伐倒作業功程 69.60 92.28 13.17 16.80 20.24 38.03
集材作業功程 16.67 22.09 25.68 30.12 17.52 6.74
造材作業功程 27.96 39.90 46.08 40.02 48.00 40.02
全作業功程 9.08 12.32 7.32 8.50 7.85 5.00