21世紀は「環境の世紀」といわれますが、この中で森林には優れた環境をもたらしてくれるものとして大きな期待が寄せられています。
 森林は、私たちにきれいな空気と水をもたらすとともに、地球温暖化防止、生態系保全、災害防止、保健休養などの環境保全に役立っています。また、森林から生産される木材は、利用しても環境負荷が少なく再生産が可能なため、持続可能な循環型社会を築くうえにおいて重要な原材料となります。従って、健全に森林を守り育て、森林を大きく荒らさない程度に木材を生産していくことは、良い環境を守っていくためにどうしても必要なことであります。
 しかし、林業経営は、戦後に植えられた多くのスギ・ヒノキなどの人工林資源は充実しつつある中、安価な輸入材の増大により極度の不振に陥っており、森林所有者は自らの森林の管理を放棄し始めており、荒廃森林の増加が問題となっています。森林の健全な管理とともに、充実しつつある木材などの森林資源の利用を進めるためには、林業・林産業の活性化が必要です。
 このため、岐阜県の研究機関として、時の動きとともに多様化・高度化するニーズに応え、安全で豊かな森林環境・森林資源を創造し、快適で安心して暮らせる生活環境の創出と林業・林産業の振興を目指して研究開発、技術支援の推進に取り組んでいます。

2004年4月1日


岐阜県森林科学研究所長
中川 一(なかがわ はじめ)


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