簡易森林測量システム紹介

(森林科学研究所)古川邦明


 森林科学研究所では、調査区設定や立木配置図を作成するため森林測量をよく行います。
 測量ソフトは多く市販されていますが、立木位置図の作成など特殊な用途に使えるものは少なく、また非常に高価です。
 となると、CADや作図ソフトなどを使っての手入力となるのですが、時に千本近くの測定となる立木位置調査では、作図にかなりの労力を要します。
 そこで、少しでも手間を省こうと、周囲測量にも対応した測量システムを作成しました。

◆システム概要
 このシステムは、コンパス測量による前進法での周囲測量と放射法による立木位置測量の処理と図化を行うものです。
 データ入出力と座標計算の部分は、Windows98(以下WIN98)上のMicrosoft Excel97に付属するVBAを使って作成しています。したがって、実行するには、Excel97又はExcel2000が必要です。
 図面印刷は、図形データをCADへ引渡し、CADシステムを自動起動させて行います。また、Win98/95対応のプリンターであれば、インクジェットプリンター等でも良質な図面が印刷できます。

◆操作方法
1.データ入力
最初にメインメニュー(図1)が表示されますので、周囲測量の場合は新規、立木等位置測量の場合は入力を選択すると、データ入力用画面(図2)が表示されます。この画面指示に従って入力していきます。


図1 メインメニュー


図2 データ入力画面
(周囲測量)

2.データ保存読込
 作業に応じてメインメニュー(図1)の測量データ保存又は読込のボタンを押すことで操作します。100測点の測量なら1.44MBフロッピーに30カ所程保存できます。
3.測量図作成
測量図面の出力例を図5に示します。印刷できる用紙はA4横〜A3横と箇所位置図用の様式としました(図3)。用紙を選択すると、用紙に収まる最大の縮尺を計算して表示しますので(図4)、この縮尺を目安にして印刷時の図面縮尺を決定し、OKボタンを押すと測量図を作成します。


図3 用紙枠選択画面
図面のサイズを選びボタンをクリックします


図4 縮尺決定画面
用紙に収まる最大縮尺が表示されます


図5 測量図出力例(小枠:立木位置図の一部)

動作対応条件

○OS
 Microsoft Windows95/98
○メモリ
 32MB以上
○プリンタ
 Windows95/98対応のもの
 出力用紙はプリンタによる
○モニタ
 640×480ドット以上
○必要なソフト
 Microsoft Excel 97/2000
 JWC2BMP32(フリーソフト)
 JWW(フリーソフト)

 今回、簡易森林測量システムを紹介いたしましたが、さらに詳しく知りたい方は、森林研までお問い合わせください。


試してみたい

(2023年追記)簡易森林測量システムの公開は終了しました


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