「クマハギ防止対策の手引き」を作成しました
−クマハギを知り、クマハギを防ぐ!−

(岐阜県森林研究所) 臼田 寿生



ツキノワグマによるスギ、ヒノキなどの樹皮剥ぎは、「クマハギ」と呼ばれ、県内森林における被害の報告は、近年、大幅に増加しています。クマハギは、木材の変色などによる商品価値の低下を引き起こすばかりか、剥皮が激しい場合には、樹木が枯死するなど森林機能への影響も心配され、深刻な問題となっています。

県内でのクマハギ防止対策については、これまで、一部地域で樹幹へのポリエチレンテープ巻などが行われてきました。今後、これら被害防止対策を適切に進めていくためには、被害の特徴や被害の分布などクマハギについての情報を正確に把握する必要があります。そこで、森林研では、平成18年度から県内のクマハギ被害の実態と効果的な防除方法の開発を目的に研究を進め、このたび、「クマハギ防止対策の手引き」(A3版、二つ折り)を作成しました。

「クマハギ防止対策の手引き」表紙
「クマハギ防止対策の手引き」表紙

この手引きでは、クマハギ被害の特徴や効果的な被害防止手法などについて、写真や図を中心にわかりやすく解説しています。今回は、その内容について、項目(ページ)ごとに紹介します。


【県内のクマハギ発生状況は?】

このページでは、県内のクマハギ発生状況について、市町村ごとに色分けし、わかりやすく示しています。これにより、どの地域ではクマハギが発生しているかを簡単に知ることができます。現在、被害が発生していない地域においても、今後、被害が拡大する恐れもありますので、被害発生地域の近隣市町村では、定期的な監視などを行うことが重要です。


【被害を防ぐためには?】

このページでは、具体的なクマハギ防止対策について紹介しています。県内で最も多く実施されている「ポリエチレンテープ巻」のほか、間伐や枝打ちなどで発生した枝条を根元に集積する「枝条集積」について、その特徴と設置のポイントを解説しています。


【クマハギの特徴は?】

このページでは、クマハギによく見られる特徴を紹介しています。

県内では、シカによる剥皮も多く見られ、クマハギと誤って判定されることもあるようです。加害種を誤って判定してしまうと適切な被害防止対策につながらない可能性がありますので、クマハギの特徴を理解しておくことが重要です。


【まずは手引きを入手】

森林所有者の皆さん!まずはこの手引きを手に入れ、ご自分の山を確認してみましょう。ただし、この時期(特に5月〜6月はクマハギシーズン真っ盛り)は、針葉樹人工林内でもクマに出会う確率が高いので、クマよけの鈴を携帯するなど、くれぐれもクマに出会わないように注意してください。

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