広葉樹林施業はどんな山で行うか
そんな疑問に応えるパンフを作りました

(岐阜県森林研究所) 横井 秀一



この度、『広葉樹二次林で手入れする山を見分ける方法』というパンフレット(A3版、2つ折り)を作りました。このパンフレットは、広葉樹材の生産を目的としたとき、手をかける意義がある林/そうでない林を見分ける方法を、簡単に解説したものです。

森林研究所では、以前、『木材生産のための広葉樹二次林の除伐・間伐のしかた』という冊子を作成しました。この冊子では、広葉樹林の除伐や間伐をするときのポイントを解説しました。しかし、どんな広葉樹林で除伐や間伐をすればよいのか、具体的に示すことはできませんでした。この弱点を補うために作成したのが、今回のパンフレットです。

このパンフレットの概要を、簡単に紹介します。

なぜ、このパンフを作ったのか

自然の力で再生した広葉樹二次林は、生えている樹種や、木一本一本の幹の形状などが、林によって千差万別です。このため、手をかけなくても木材生産林として十分に機能する林があると思えば、手入れするかしないかでその機能に大きな差が出る林や、手入れしてもどうにもならない林もあるのです。

したがって、広葉樹二次林施業では、その山を手入れする意義があるかどうか見極めることが、とても大切になります。これをおろそかにすると、せっかく注ぎ込んだお金や労力が、無駄になってしまうかも知れません。そうならないための情報をお届けするために、このパンフレットを作りました。

パンフには何が書いてあるのか

パンフレットの表紙には、「樹高を見て、本数を数えて、手入れの必要性を判定します」と書きました。

「樹高を見る」のは、林の発達段階を知るためです。林の発達段階によって、行うべき作業が異なり、同時に、作業を行うとよい林の条件も変わります。このため、対象とする林の発達状態を知る必要があるのです。

「本数を数える」というのは、木材生産を担える木(育てる価値のある木=優良木)がどのくらいあるかを知るということです。優良木の条件も、林の発達段階によって違います。林が発達するほど(樹高が高くなるほど)、樹形が固まっているため、厳しく見る必要があるのです。

以上の2点から、対象とする広葉樹林で手入れが有効かどうかを判定しようとするのが、ここでの考え方です。パンフレットでは、この考え方に従って、森林の発達段階を4段階に分けて、それぞれで行う作業の種類と、作業が有効な林の見分け方について紹介しています。また、優良木を選ぶ基準についても、簡単に記載してあります。

ぜひ、パンフをご活用ください

このパンフレットは、県内の林業関係機関に、順次、お届けしています。また、希望される方には、無償で(郵送料のみ負担していただいています)、お配りしています。

「ウチの山、手入れしたいけど、そんだけんの価値あるやろか」といった疑問を持たれたとき、ぜひ、このパンフレットをご活用ください。

 
広葉樹二次林で手入れする山を見分ける方法


この冊子を配布しています。希望される方は、こちらからお問い合わせください。