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今年1年間、岐阜県森林研究所のwebサイトをご覧いただき、ありがとうございました。
早いもので、2010年も残すところあとわずかとなりました。そこで、今年も恒例の「岐阜県森林研究所10大ニュース」を選んでみました。
さあ、どのようなできごとがランクインしているでしょうか?
良質な材を出し林業経営を維持することを目的として、岐阜県版「細り表」を調整し、それを現場で簡易に使用できるように「細り早見カード」を開発しました。太さの変化は木によってさまざまですが、このカードにより、伐る前に、製材に必要な太さがあるかどうかがわかります。ベテラン技術者の「経験と勘」に替わるツールとして、経験の浅い森林技術者に活用して欲しいと思っています。
第30回全国豊かな海づくり大会(会場:関市)のふれあい交流行事である「せき海づくりフェスタ」に出展しました。今回の出展では、来場者に森林と水(海、川)とのつながりについて興味や関心をもってもらえるよう内容を工夫しました。あいにくの天候でしたが、延べ1000人ほどの方に来場いただきました。
県庁前芝生広場(岐阜市薮田南)で行われた「森と木とのふれあいフェア2010」に今年も出展しました。ブースでは、森林や森林研の研究内容を知ってもらう「森林研クイズ」を実施し、回答者には「葉っぱのしおり」をプレゼントしました。来場者は家族連れを中心に1400人を超え、大盛況でした。
県内で深刻な問題となっているナラ枯れ被害の防除対策を支援するため、平成19年から平成21年まで防除技術の開発に取り組んできました。これらの研究の成果をもとに、ナラ枯れ被害の特徴や効果的な防除法などについてわかりやすく解説した冊子「ナラ枯れ被害を防ぐために」を発行しました。被害の拡大防止のためにご活用いただければ幸いです。
全国林業改良普及協会が開催した「第44回林業関係広報コンクール」のホームページ部門において、当研究所のホームページが奨励賞を受賞しました。この受賞を励みにして、今後も分かりやすく親しみやすいホームページの作成に努めたいと思います。
利用されず林内に残されている間伐材などを有効に利用するため、森林総合研究所などと共同で、残材を効率的に収集・運搬する作業車両の開発に取り組んでいます。今年は、県内の現場で完成した試作機の実証試験を行い、改良箇所など今後の課題を洗い出しました。
両県知事懇談会の知事合意事項を受け、森林・林業に関する共通の課題を連携して解決するため、、今年から長野県林業総合センターと情報交換を実施しています。今年は、増えすぎたシカによる林業・環境被害に対応するため、県境付近のシカの動態を調査しました。共通する課題に共同で取り組むことにより、より高い成果が得られます。今後も、それぞれの得意分野を生かして連携していきたいと考えています。
美濃市立美濃中学校の1年生の生徒さんが当研究所を訪問し、仕事についてのインタビューや施設見学をしました。インタビューでは、日頃の業務内容や仕事上の苦労や楽しさ、この仕事を選んだ理由などが話題となりました。真剣な質問に、私たちも一生懸命答えました。
子ども会の学習会で当研究所を訪れた可児市の小中学生が、施設見学や研究体験をしました。内容は、ナラ枯れ被害木の観察、キノコの栽培方法、スギの年輪の観察の3テーマでした。小中学生は、ナラ枯れ被害木から出てきたカシノナガキクイムシの成虫や幼虫に興味を示していました。私たちも、小さな研究者たちを迎えて、普段とはまた違う活気や元気をもらいました。
平成22年2月16日と7月23日に中濃総合庁舎(美濃市)において、研究成果や実施中の研究の紹介などを目的として、計10題を発表しました。参加者の皆さんからは発表内容に対し、貴重なご意見ご感想を頂きました。森林研究所は、これからも地域の森林・林業を支える研究機関として、皆さんの声を反映させながら新技術の開発や解決が求められている課題に取り組んでいきます。
2010年の10大ニュースは、いかがだったでしょうか。ランクインしたニュースの内容をながめてみると、今年の森林研究所は、研究活動、普及活動に大忙しの一年だったようです。
さて、来る2011年はどんな一年になるでしょうか。新植した調査地にウサギの食害が出ないことを祈りつつ。みなさま、よいお年をお迎え下さい。