岐阜県森林研究所
2009年の10大ニュース

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今年1年間、岐阜県森林研究所のwebページを閲覧いただき、まことにありがとうございます。

はやいもので2009年も残すところあとわずかとなりました。そこで、今年も恒例の「岐阜県森林研究所10大ニュース」を選んでみました。(昨年までの10大ニュースはこちらをクリック→2006年2007年2008年
 さあ、どんなできごとが印象に残っているでしょうか?

第1位:「クマハギ防止対策の手引き」を発行

〜県内に広がるクマハギ被害の防除を支援(3月)〜

森林研では、県内の森林で深刻な問題となっているクマハギ被害(ツキノワグマによるスギ、ヒノキなどの樹皮剥ぎ被害)の防除対策を支援するため、平成18年から平成20年まで県下の被害の実態や被害防除対策の効果などについて研究してきました。
これらの研究の成果をもとに、県下のクマハギ被害の特徴や効果的な被害防止手法などについてわかりやすく解説した「クマハギ防止対策の手引き」を発行しました。手引きは県内外から多数の配布希望をいただき、当初に印刷した500部が半年余りで無くなったため、急遽11月に500部を追加発行しました。今後ともクマハギの効果的な防止対策のためにご活用いただければ幸いです。

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第2位:森と木とのふれあいフェア2009に出展

〜森林研ブースの参加者が1700人を超え、来場者数記録を更新(10月25日〜26日)

森林研は今年も県庁前芝生広場(岐阜市薮田南)で行われた「森と木とのふれあいフェア2009」に出展しました。森林研ブースでは森林や森林研の研究内容を知ってもらう「森林研クイズ」を実施し、参加者にはモミジなどの葉でつくった「葉っぱのしおり」をプレゼントしました。昨年は2日間で1000人を超える方々にお越しいただきましたが、今年は好天に恵まれたこともあり、来場者は1700人を超え、2006年の初出展から記録を更新し続けています。

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第3位:「林床を利用した林産物の栽培マニュアル」を公開

〜林床の有効利用による林業の活性化を支援(6月)〜

森林研では第57回全国植樹祭(H18年5月開催)の記念植樹地内に、林床を利用した林産物の育成に関する試験・展示を行っています。この試験地内で育成している作目について、これまでの試験結果や既存の図書・資料等を基に「林床を利用した林産物の栽培マニュアル」を作成し、森林研のホームページで公開しました。

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第4位:「作業路開設指針図」の配布を開始

〜環境にやさしい道づくりを支援(6月)〜

森林研では環境に配慮した林内路網整備を支援するため、斜面崩壊が発生しやすい区域をはじめとする作業路開設時に注意すべき箇所などを示した「作業路開設指針図」の配布を開始しました。作成範囲は県内全域の森林地域を対象(国有林を除く)としており、必要区域を指定(最大で旧市町村区域までです)していただければ、ファイルを作成して配布しています。希望される方は森林研へメール等で申し込みください。

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第5位:ナラ枯れ被害がさらに拡大

〜中濃・飛騨地域で激しい被害〜

カシノナガキクイムシによるナラ類の枯損被害が全県的に拡がっています。今年は中濃地域および飛騨地域の被害が激しくなり、昨年同様に新聞社やテレビ局からの取材および防除技術に関する研修依頼が多かった一年でした。依然として決定的な防除方法は無い厳しい状況ですが、森林研では引き続きナラ枯れ被害の防除技術の研究に取り組んでいきます。

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第6位:第4回 ぎふ山の日フェスタ(森林研一日開放)

〜今年も森林研は小さな研究者でいっぱい(8月8日)

森林文化アカデミーと森林研の敷地内で開かれた「第4回ぎふ山の日フェスタ」にあわせ、今年も森林研の建物を夏休み中の子供たちに開放しました。私たち職員も小さな研究者たちを迎えて、普段とはまた違う活気や元気をもらいました。

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第7位:エコキャップリサイクルに協力

〜岐阜市立綱代小学校から感謝状(6月24日)

森林研は岐阜市立綱代小学校の子供たちが行っているエコキャップリサイクルに協力しました。エコキャップリサイクル(エコキャップ運動)とは、ペットボトルのキャップを収集・売却しその利益により、発展途上国にワクチンを届ける活動です。森林研では699個のペットボトルキャップを収集し、綱代小学校にお渡ししました。私たち職員の協力に対して、綱代小学校の子供たちからは手作りの心温まる感謝状をいただきました。綱代小学校のみなさん、これからも「エコキャップ運動」がんばってください。

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第8位:「超臨界二酸化炭素抽出装置」による新たな成分抽出研究を開始

〜県内研究施設で初の導入(1月)〜

森林研は県内研究施設で初となる「超臨界二酸化炭素抽出装置」を導入し、林産物からのあらたな成分抽出技術の研究を開始しました。「超臨界二酸化炭素抽出」は化学物質と違い人体に無害な二酸化炭素を利用していることから、これまでにも「コーヒー豆の脱カフェイン」や「有害溶剤を使用しないドライクリーニング」などで実用化されており、新たな分野での活用が期待されています。今後、森林研では超臨界二酸化炭素抽出法を利用し、サンショウやホオノキなどから抽出される抗ガン活性成分「ポリフェノール」を中心とした健康有用成分の効率的な抽出研究を進めていきます。

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第9位:インド国立森林研究所の博士が森林研へ来訪

〜森林研の最新研究を紹介(8月11日)

平成21年8月11日、金城学院大学(名古屋市)の薬学部に留学中のインド人学者・ラシミ博士が森林研へ訪問されました。ラシミ博士は薬学が専門で、森林研では主に最新の林産物研究の情報を収集され、特にバイオテクノロジーの分野について熱心に質問されていました。ラシミ博士の今後のご活躍をお祈りしています。

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第10位:岐阜県森林研究所 研究・成果発表会を開催

〜2月12日および7月14日に美濃市で開催、来場者はのべ320人超〜

平成21年2月12日および平成21年7月14日に美濃市の中濃総合庁舎大会議室において、研究の成果および現在研究中の課題の紹介など、計11題を発表しました。今後も研究の成果や途中経過をお知らせすることで、みなさんのご意見を反映させながら研究に取り組んでいきたいと考えています。

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2009年の10大ニュースは、いかがだったでしょうか。ランクインしたニュースの内容をながめてみると、今年の森林研究所は、研究活動もさることながら普及活動にもより一層、力を注いだ一年だったようです。

さて、来る2010年はどんな一年になるでしょうか。みなさま、どうかよいお年をお迎え下さい。